昨日(6月24日)の岐阜新聞朝刊に、鵜飼楽屋への取材が掲載されました。
記者の佐名妙予氏に共感していただき、素敵な記事を書いていただきました。
一部を引用し、ここにご紹介いたします。
築100年の古民家改修 岐阜市 宿泊施設 鵜飼楽屋
連日、長良川鵜飼が繰り広げられている岐阜市長良の長良川沿いに建つ築100年の古民家が、一棟貸しの宿泊施設「鵜飼楽屋(がくや)に生まれ変わった。(中略)「長良川鵜飼の聖地で古民家と鵜飼文化をじっくりと体験してもらえたら」と話す。
建物は「長良川うかいミュージアム」の隣にあり、1918年(大正7年)建築。木造2階建て、延べ190平方メートル。(中略)「家を大切に利用してきた跡が随所に見られ、懐かしさ、ワクワク感がこみ上げてきた。ぜひ手掛けたかった」と話す。改修でこだわったのは、古い建物の風合いをのこすことと地元産材を使うこと。今回は外壁に県産のヒノキ板、寝室の床に県産のスギ板を利用。総ヒノキ風呂も目を引く。建具はそのまま使い、障子の紙は手すきの美濃和紙を貼った。土壁や天井も極力手を加えず、柱に残る釘穴などもあえて残す。大部分は構造の補強工事で、目に見える修繕は水回りと寝室の床や畳の一部。照明はスポットライトや和紙のシェードを取り入れ、落ち着きのある空間に仕上げた。
中庭もあり、ガラス戸を開けると心地よい川風が入る。鵜匠の作業場が隣接するため、鵜の鳴き声や羽音が聞こえるのもこの土地ならではの特色という。
記者のひと言
建物はとても居心地がよく、古い建物のデザイン性の高さ、欄間、縁側など、現代の家庭では少なくなった特徴にも心踊った。
近松さんは「100年前の職人とセッションしていたよう」と話し、見えない部分にも職人の智恵が詰まっているのに感動したという。
(岐阜新聞社 佐名妙予氏)
取材の中でお話しした「鵜飼の聖地」のくだりですが、仰々しく聞こえるかも知れません。(もちろん、宗教的な意味は含んでいません。)
長良川と堤防に囲まれた堤内という特殊な集落の中に鵜匠の拠点が集まっていることから、「聖地」を連想しました。
伝統漁法である長良川鵜飼を1000年という長きに渡り紡いできたのは、紛れもなくこの地域に根付いた鵜飼に関わる生活文化です。
その生活文化を感じることで、鵜飼観覧が深みを増します。是非、「鵜飼の聖地」に足をお運びいただければと思います。